コラム

「建設工事」に該当する工事、しない工事の判別は?

そもそも「建設工事」に該当するもの、該当しないものはどのように判断すればいいのでしょうか?

シンプルな疑問ですが、建設業許可取得の際にも、そもそも許可が必要な工事なのか?という問題がありますし、経営業務の管理責任者や専任技術者の経験年数に参入できるか?というところにも関わってくる点で大切なことですので確認してみます。

建設工事かどうかを判別する方法は?

山梨県の「建設業許可の手引」には次のような記述があります。

 「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするかを間わす、建設工事の完成を請け負う営業をいいます。
 すなわち、営利の目的で建設工事の完成を請け負うことを営業とするものならば、使用される名義の如何を間わず、すべて建設業となります。
 ここでいう「請負」とは、仕事の完成を目的とする民法上の契約のことをいい(民法第632条)、建売住宅等の販売(これは売買契約)や、労働力の提供を目的とする雇用契約とは区別されなければなりません。
 なお、除草、除雪、庭木の剪定等の作業の委託は「請負」とはいえますが、土木建築に関する工事の完成を目的としないため、「建設工事の請負契約」には当たりません。

つまり「請負契約であること」「土木建築に関する工事であること」に該当するかしないかが判別点ということになります。

「請負」は、民法第632条で「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」とされています。

つまり、「仕事の完成」が目的で、それに対し報酬が支払われる契約です。

手引のなお書き以降は、「完成」については任務の依頼だけではなく、「土木建築に関するモノの完成」も求めていることが書かれています。「修繕」については、壊れたモノの復旧や機能の向上(完成)ですから工事に該当するでしょうが、修繕を含まない調査や清掃、消耗品の交換などの「保守点検」は該当しないと考えられるでしょう。

ですので、契約書の題名だけでは建設工事に該当するか判断できない場合があります。よくいう「業務委託」は請負も委任も包括される言葉ですから、業務の内容をみて判断しましょう。

該当する工事、しない工事の事例

以下に該当する事例、しない事例を挙げておきます。(「わかりやすい建設業法Q&A」(株)大成出版社発行 から引用)

◯建設工事に該当しないと考えられる業務

  • 発注者から貸与された機械設備の管理
  • 剪定、除草、伐採、除雪
  • ボーリング調査を伴う土壌分析
  • 測量・調査(土壌試験、分析、家屋調査等)
  • 建設資材(生コン、ブロック等)の搬入
  • 仮設材・車両のリース
  • 資機材の運搬・運送(据付等含まないもの)
  • 機械設備の保守・点検(修繕等を含まないもの)
  • 警備

◯建設工事に該当すると考えられる業務

  • 直接の工事目的物ではない仮設や準備工の施工(仮設や準備工事であっても建設工事の内容を有する)
  • トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレータ付きリース(オペレータが作業を行う時点で工事の完成を目的とする行為に該当する可能性があること、また建設業務では禁止されている労働者派遣に該当する可能性もあるため、建設工事の請負契約を締結することが妥当という見解があります。)