コラム

行政書士の電子化対応

行政手続きを含め様々な分野で電子化が進んでいます。行政手続きや行政書士は今後どうなっていくのでしょうか?

徐々に廃止される収入証紙

県への許認可の申請などされる方は知っていると思うのですが、手数料の払い方が独特ですよね。「収入証紙」というものをいちいち買わないとならないのです。

「収入印紙」と違うのか?どこで売っているのか?知らない方は戸惑うでしょう。収入印紙は印紙税(国税)の支払いのため、収入証紙は「都道府県」への手数料支払に使われる金券です。郵便局やコンビニでも買える収入印紙に比べ販売場所も限られています。→https://www.pref.yamanashi.jp/sui-kai/92858620979.html#hanbaibasho

都道府県職員が現金を扱わなくて済んだり、書類と一緒に郵送ができたりするメリットはありました。その収入証紙が徐々に廃止されているようです。埼玉県のHP → https://www.pref.saitama.lg.jp/a1201/shoushi/kyassyuresu.html

おっさんの昔話

収入証紙の廃止は申請の電子化、キャッシュレス化が主な理由です。時代の流れですね。電子化によって利便性が高まることは良いことだと思います。

思えば中学生の頃(約40年前)、NECのPC8801(8bit)を買ってもらい、そこから現在までコンピュータの歴史を見てきました。

パソコンを買ったばかりの頃は日本ソフトバンク(現:ソフトバンク。当時は出版社だった。こんなでかい会社になるとは夢にも思わなかった)発行の「Oh!PC」などのパソコン雑誌を読んでプログラミングの真似事をして、大学ではプログラミングの課題の答えを素早くコピーする方法や一太郎のパスワード突破方法などを考えたりしていました(何やってんだ?)。

インターネットに触れたのは就職してからです。初期のブラウザ「NetscapeNavigater」を初めて使ったときは衝撃でした。そこからのネット社会の急速な進化はさすがについていくのがやっとという感じでした。

クラウドサービスでの許認可書類作成

行政書士なんて最もアナログな仕事じゃないの?AIで真っ先に滅びるんじゃない?と思われる方も多いでしょう。

例えば、会社設立や確定申告のクラウドサービスで有名な「freee」には「freee許認可」というサービスがあります。「freee許認可」には次の許認可書類の作成機能がリリースされています。

軽貨物運送
古物商
古物商変更届
飲食店営業許可
美容室・理容室
宅建業免許
建設業
建設業更新
産業廃棄物収集運搬
食品販売
建築士事務所
指定給水工事

まさに行政書士の「代書」の仕事です。こうなってくると行政書士なんてこの先どうなるのか?と思う今日この頃です。全て確認書類が自分で揃えられるような単純な申請でしたら現状でもこのサービスを利用して自分でできてしまうでしょう。現に私も個人事業の開業届はクラウドサービスを使って10分程度で作成しました。

現状ではそもそも「許認可申請の要件を満たしているのか?」という方が行政書士に相談していると思いますので、すぐに行政書士が不要になるわけではありません。許認可用のシステムを販売しているソフトウエア会社にとっては強大なライバル出現ではないかと思います。

しかし、いずれ事例がAIに蓄積されると自動的に相談への回答も、それに合った記載方法、書類の収集方法も自動的に表示されるようになるでしょう。そこで行政書士が生き残れるかどうかだと思います。

変われない士業は滅ぶ。そういう時代ではないでしょうか。

行政書士と電子化対応

当事務所はGビズID、電子署名、JCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)、CCUS(建設キャリアアップシステム)登録行政書士、登記・供託オンラインシステム…。様々な手続きへの電子化対応を行っています。クレジットカードや電子マネーなどによる電子決済も可能です。

私は会計はMNFを使っているのですが、こういったサービスは「freee」で使ってみてコラムに書こうかと思います。

おっさんですが今しばらく、電子化の時代に食らいついていきます。