コラム

行政書士の業務とは?何をする人?

「行政書士って何する人?」

「行政書士をやっています」という話をすると、ほとんどの方は「行政書士って何する人?」と返してきます。ごもっともです。私も「うーん」て言ってしまいます。たしかに「〇〇士」ってたくさんいますよね。

行政書士法には次のとおり書かれています。

(業務)
第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

つまり、「官公署に提出する書類」の作成、「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」の作成を業とするのが行政書士です。長々書くのも大変なので詳しくは日本行政書士連合会のこのページを見てください。 https://www.gyosei.or.jp/info/service

かなり幅が広いと感じませんか?一説には行政書士ができる業務は1万種類以上あるといも言われます。しかも全国の行政書士が日々新たな態様の仕事を生み出しています。まさにアイデア次第です。

他の士業(司法書士や社会保険労務士、税理士、弁護士など)と何が違うのでしょう?

しかし同じ条文の続きには次のとおり書かれています。

第一条の二
 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

他の法律において制限されるものはできない、これが他の士業との違いということになります。

例えば、訴訟・調停などの代理人は弁護士、「裁判所」「検察庁」「法務局」などへの提出書類は司法書士、税務書類は税理士、労働・社会保険関係は社会保険労務士の業務で、行政書士はこの範囲まで手を伸ばしてはいけません(「業際」といいます。)

具体的に「相続」の手続きで説明しましょう。相続の手続きについて依頼者から行政書士に相談があったとします。行政書士は戸籍などを調べて相続人など権利関係を確認します。そして相続人の皆様によって決められた内容に沿って遺産分割協議書を作成します。仮にここで相続人の間で揉め事が発生しても行政書士が間に入ることはできません。弁護士の範疇に入ってきます。相続税の相談があれば税理士にお繋ぎしますし、年金の手続きがあれば社会保険労務士に依頼します。相続が確定したら登記しなければなりませんがここは司法書士の出番です。

このように「相続手続き」と一口でいっても様々な士業が絡んでくるのです。(私も他業に詳しいわけではありませんので勝手な解釈かもしれませんが)行政書士以外の士業は結構やるべき仕事がしっかり固まっている、行政書士は各士業の業務の間を動いているイメージでしょうか。コーディネーターの役割とも言えます。

法律関係のご相談はまずは行政書士に。

行政書士が必ず言われるのが「業際」を常に意識するようにということです。逆に言えば「業際」を常に考えているわけですから、この仕事は誰、この分野は誰と適切な人につなげる窓口になりうるということでもあります。

法律に関することで誰に相談すればいいんだろう、と思われたらまず行政書士に相談されてはいかがでしょうか。

例えば、相続のご心配がありましたら相続診断士の資格を持つ当事務所の行政書士にご相談ください。相続に関するアドバイスや遺言書の作成支援、必要な他士業のご紹介をさせていただきます。