コラム

遺言が自治体を動かした!?遺言の効果とは?

先日、このような報道がありました。→https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240903/1000108672.html

記事の抜粋ですが、「東京・北区は、経済的に厳しい状況に置かれたひとり親家庭を支援しようと、区民からの寄付を活用して、子ども1人あたり1万5000円を給付する方針を決めました。北区によりますと、この支援は、ことし4月、亡くなった区内の男性の代理人から「ひとり親家庭の支援に充ててほしい」とおよそ3900万円の寄付を受けたことから行われることになりました。

遺言の効果で区の施策が行われた例ということになります。このように遺言は「人生最後の社会貢献」という効果を生み出すこともできるのです。

大した財産もないけど遺言は必要なの?

このサイトでも申し上げているのですが(https://gyosei-mol-yamanashi.com/inheritance/)、大きな財産がなくても相続で揉める事例は多いのです。

遺言には相続争いを防ぐ効果の他にも死後の手続きが簡略になるという効果もあります。遺言がある場合と無い場合の相続手続きの流れを見てみましょう。

このように、遺言の有無で手続きの手間が大きく変わります。遺言には遺された人を思いやる効果もあります。

遺言は遺族だけでなく、自分にも、社会にもメリットあり!

遺言の効果をもう一度まとめると、
①過去を振り返り、身辺の整理ができる
 →手始めにエンディングノートを書いてみましょう。
  ノートをまとめながら、人生を振り返り、資産や人間関係など身辺の整理ができます。
②遺された人を思いやることができる
 →上記のように、遺言により死後の手続きが簡略になり、相続人の負担が軽減されます。
  そして自分が亡くなった後の遺族の生活についての考えを、遺産の配分で自由に伝えることができます。
③思いを遺す、未来に託すことができる
 →遺された人への感謝など、自分の思いを自由に伝えることができます(遺言書の付言)。
  そして冒頭紹介したように、遺贈寄付など「人生最後の社会貢献」で思いや名前を遺すこともできます。

遺言を書いてもらうには?

ただ、なかなかきっかけが無いと遺言を作ってみようという気にはなれないでしょう。もし相続人の立場であれば、親に「早く遺言書いてくれ」と言おうものなら、早く死んでほしいのか?とかお金がほしいのかな?と思われるのも面倒で、言い出しづらいですよね。

そんなときは、上記の効果を踏まえて、親が思い出話を始めたらエンディングノートを勧めたり、社会貢献の話から遺贈寄付の話に持っていったり、遺産分割の手続が面倒だったという知人の話をしたり、とストレートではなく、一つ寄り道してから遺言作成を勧めてはいかがでしょうか?