コラム

新人行政書士向け(1)事前の情報収集ツール

「新人行政書士向け」と言っても自分が新人なのですが、メモも兼ねて相談があった時の下調べなどに役立つツールやサイトを書いておきます。

許認可の相談が来た!とりあえずどうしよう?

例えば、「建設業の手続きを頼みたいんだけど」という電話が来ました。ヒアリングに訪問することにして、ひとまず法人であることと社名・住所は電話で聞き取りました。

まず使うのは、「登記情報サービス」です。 https://www1.touki.or.jp/
これは絶対必要ですのでアカウントを作っていつでも見られるようにしましょう。商業登記簿を見ただけで法人の所在地、設立年月日、どんな工事が目的に書かれているか、役員の氏名、ついでに経管になりそうな人が経験年数を満たしていそうか、などの情報が得られます。さらに一歩進めて、Googleマップで所在地の状況を確認すれば、どのような事務所かもわかりますし、事務所の建物登記簿も確認すれば自社所有かどうかもわかります。登記簿は非常に役に立ちます。

次に建設業の許可を取得しているかどうかを調べます。 https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/
もし建設業の許可を持っていれば「新規」ではなく「業種追加」や「変更」あるいは「更新」の依頼であることもわかりますね。
許可期限が近ければ「更新」手続きの依頼でしょう。

次に現在は必須の許可要件となった「社会保険の加入」はこちらのサイトです。 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho/jigyoshokensaku.html
社会保険の加入状況がわかります。また加入者数もわかりますので企業規模も見当がつきます。

農地転用の相談が来た!どうしよう?

つぎに「農地転用頼みたいんだけど」のパターン。転用したい農地の地番を聞きましょう。

まずは最初に書いた「登記情報サービス」で土地登記簿を見ます。地番、地目、地積、所有者、他に権利設定がないかがわかります。
そして同じく「登記情報サービス」で14条地図(いわゆる公図)も取ります。

そして位置図はおなじみのゼンリン住宅地図です。
https://www.zenrin.co.jp/product/category/residentialmap/j-print/index.html
私はコンビニで印刷できる「ゼンリン住宅地図プリントサービス」をいつも使っています。
コンビニのコピー機サービスの素晴らしいところはスキャンデータをスマホに転送できるんですよね。地図を印刷したあと、そのままコンビニのコピー機でスキャンし地図データをスマホに取り込みます。

このスキャンデータをパソコンに送信。「Adobe Acrobat」に取り込んで、該当箇所を色付けすれば、もう農業委員会に事前相談に行ける資料が揃ってしまいます。

「Adobe Acrobat」も必須ですね。私がよくやるのは、写真に撮影した書類をPDF化して、さらにWordやExcelに変換します。いただいた資料を撮影し、自分なりに加工できてしまうので大変重宝しています。

農地についてもう一つ、 https://map.maff.go.jp/
「eMAFF農地ナビ」を使うことによっておおまかに「白地・青地」の別や都市計画区域などもわかります。実際には農業委員会に問い合わせが必要ですが、突然の問い合わせに狼狽えながらも「市街化調整区域ですが青地じゃなさそうですね。宅地化も進んでるようですがとりあえず農業委員会に相談します。」などとわかった風な話をしてある程度信頼させることはできそうです。

専門書が欲しい!でも高い…重い…。

初心者はとにかく本を買って勉強すると思います。しかし本は重いし専門書は結構高い…。
私はこちら「LEGAL LIBRARY」を使っています。 https://legal-library.jp/
月々5,200円ですが、法律に関する様々な書籍が閲覧できますし検索機能も便利です。何より重い本をたくさん持ち運ぶのは不可能ですから大変重宝します。金額に見合う以上の価値があると思います。

以上、私がよく使うツールやサイトをご紹介しました。しかし皆さんのほうがたくさんの便利ツールをご存知かと思いますので、ぜひ他にいいものがありましたらぜひ教えて下さい。